仮面ライダーゼロワンのスーツ等を模倣

 

熊本県のご当地ヒーローである水ト炎の戦士 ソルディアのスーツデザイン等が、「仮面ライダーゼロワン」に似すぎていると話題になっています↓。

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ご当地ヒーロー水ト炎の戦士ソルディアのスーツ
ご当地ヒーロー水ト炎の戦士ソルディアのベルト

上の写真はYotubeより引用 Yotubeが開きます

 

記事によると、

「水ト炎ノ戦士 ソルディア」は、クラウドファンディングを経て2021年8月から本格的に活動を開始。もともと「南阿蘇ホリデーパーク」(現在はコロナ禍で長期休業中)でヒーローショーを行っていた人たちが中心となり、阿蘇に再びヒーローを誕生させたいとの思いから立ち上げた企画でした。

 

しかし9月13日、Twitterでスーツデザインについて疑問を呈する声があがったことをきっかけに、「これダメでしょう」「どう見ても仮面ライダー」など、デザインの類似を指摘する声が相次ぐ形に。カラーリングこそ違うものの、特にマスクやスーツの形状が「仮面ライダーゼロワン」(どちらかといえば強化形態の仮面ライダーゼロツー)に、ベルトの形状が「仮面ライダーアギト」に似ていることを指摘する声が多く上がりました。

 

 

これに対して、水ト炎の戦士 ソルディアのTwitterの公式アカウントが謝罪したところ炎上しているようです。

 

 

 

記事によると、

ヒーロースーツはクラウドファンディング後、クリエイターにオーダーし制作してもらったもので、6月に発注し8月に完成。またデザインについては「事実、ヒーロースーツは仮面ライダーゼロワン、ベルトはアギトのものをベースに発注、制作しております」とし、「この点に関しましてはご指摘の通りで、『色を変えたから良いのではないか』という甘い認識でございました」と謝罪しました。

 

加えて、スーツ完成後の8月12日には、東映サイドにメールでスーツデザインについて「仮面ライダーゼロワンをベースに、クリエイターの方に制作していただいたもの」「もし、似すぎており著作権侵害の疑いがある場合は大変お手数ではございますが、ご一報いただけけますと幸いです」などの確認メールを送っていたとも説明。9月14日時点でまだ東映側からの返信はないものの、もしも連絡があった場合は「真摯に対応する所存」としています。また、今後の活動については関係者と協議のうえ、あらためて報告するとのこと。

 

 

ここで私は、ヒーローモノのスーツや小物は著作物なのか? 果たして、著作権侵害なのか?と疑問に思うのです。

 

キャラクターは著作物なのか?

キャラクター著作物性がかつて争われたことが有ります。

 

ポパイ第4事件です。

 

このポパイ第4事件において、最高裁判所は、漫画の登場人物のキャラクターは、著作物に該当しないと認定しています。

 

最高裁判所は、「登場人物が描かれた各回の漫画」が著作物であり、キャラクターは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、それ自体が著作物でないとしています。

 

勿論、漫画複製することは複製権の侵害であり、漫画ネットにアップすることは公衆送信権の侵害となり、著作権の侵害となります。


ポパイ第4事件をもっと知りたい場合には、ここをクリック 新規タブが開きます

 

 

話は少しズレますが、建て売り住宅著作物なのかが争われたことが有ります。

 

著作権法上、著作物の一例として、建築の著作物があげられています。

 


大阪高裁は、造形芸術としての美術性を備えた場合には、建築の著作物として著作権で保護されるが、
一般的な建売住宅は、建築の著作物には該当ないと認定しました。

 

例えば、スペインのガウディの建築物であるサグラダ・ファミリア大聖堂は、相当の美術性を備えているといえるので、建築の著作物として認められそうです。

 

建て売り住宅の著作物性が争われた裁判をもっと知りたい場合には、ここをクリック 新規タブが開きます

 

キャラクター建売住宅模倣した場合って、著作権侵害と思ってしまいがちですが、裁判所はキャラクター、建売住宅のいずれも著作物とは認定すること無く、著作権侵害で無いと判断しました。

 

ヒーローモノのスーツや小物は著作物なのか?

著作権第10条第1項4号には、美術の著作物が例示されています。

 

ヒーローモノのスーツや小物は、美術の著作物に該当する可能性は有ります。

 

建売住宅の著作物性が争われた事案では、造形芸術としての美術性を備えていない場合には、建築の著作物として認められない旨判示しています。

 

本事案が、建売住宅の著作物性が争われた事案と同じ当てはめができるかについては微妙ですが、ヒーローモノのスーツや小物に美術性が備えていると判断できる場合には、美術の著作物といえる可能性が有ります。

 

本事案が裁判になるかは分かりませんが(謝罪していますし)、裁判になった場合には、裁判官は、上記の裁判例を参照しつつつ、具体的事情を勘案して、どちらを勝たすのが社会正義に叶うのかと思いを巡らしてヒーローモノのスーツや小物が著作物に該当するのか否かを判断するでしょう。

 

なんとなくで恐縮ですが、上記した裁判例を勘案すると、ヒーローモノのスーツや小物は、美術の著作物に該当しないと判断しそうです。

 

翻案では無いかという話が有りますが、そもそも模倣の元となったものが著作物でなければ、翻案権の侵害にはなりません。

 

不正競争防止法防止法の形態模倣行為(不正競争防止法第2条第1項第3号)に該当するのか?

他人の商品の形態模倣した商品を譲渡等する行為は、形態模倣行為として不正競争行為(不正競争防止法第2条第1項第3条)となります。

 

ここで模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいいます(不正競争防止法第2条第5項)。

本事案では、デザイナーが依拠していると認めているので、依拠性は該当しますが、ここで問題となるのは、実質的同一であるか否かです。

 

過去の裁判例では、実質的に同一の範囲は、かなり狭く解されています。

 

水ト炎の戦士 ソルディアのスーツや小物が、仮面ライダーゼロワンのスーツや小物と実質的に同一であると判断されれば、不正競争防止法形態模倣行為に該当し、差止・損害賠償の対象になります。

 

但し、仮面ライダーゼロワンのスーツや小物が、最初に販売された日から3年を経過していないことが条件です。

 

不正競争防止法の形態模倣行為のことをもっと知りたい場合には、ここをクリック新規タブが開きます

 

形態模倣行為に該当しなくても、混同惹起行為不正競争防止法第2条第1項第1号)に該当すれば、差止・損害賠償の対象となります。

 

「仮面ライダーゼロワン」のスーツや小物が、周知な商品等表示と言えるか微妙な感じもしますが。

というのも、不正競争防止法における商品等表示とされるには、自他識別力又は出所表示機能のような商標的な機能を有することが要件となりますので。

 

不正競争防止法の混同惹起行為のことをもっと知りたい場合には、ここをクリック新規タブが開きます

ヒーローモノのスーツや小物はどうすれば模倣から保護されるのか?

 

ヒーローモノのスーツや小物を確実に模倣から保護するにはどうしたら良いのでしょうか?

 

それは、ヒーローモノのスーツや小物について、意匠権を取得することです。

 

バンダイは、キャラクターやキャラクターの小物について、多数の意匠権を取得しています。

 

「仮面ライダーゼロワン」のスーツや小物について意匠権が取得されていて、水ト炎の戦士 ソルディアのスーツや小物がその意匠権の意匠類似である場合には、意匠権の侵害となります。

 

意匠権の存続期間は、出願の日から25年で、不正競争防止法形態模倣行為による保護期間である3年に比べて、かなりの長期間にわたって、模倣から保護することができます。

 

まとめ

水ト炎の戦士 ソルディアのスーツや小物は著作物である可能性は低いものの、不正競争防止法形態模倣行為意匠権侵害に該当する可能性が有ります。

 

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