8番ラーメンとは

皆さんは、8番ラーメンを食べたことが有りますか?

 

北陸地方に多く展開している野菜たっぷりのラーメンのチェーン店で、8を付した蒲鉾が乗っているのが特徴です。

 

私は、北陸地方に行った時に何度か食べたことが有りますし、名古屋にも1店舗有るので、名古屋でも食べたことが有ります。

 

野菜たっぷりで体に良さそうです。

 

写真は下記URLより引用
https://www.hachiban.jp

 

その由来は、最初に開業したラーメン店が、北陸地方を縦断する国道8号線に面していたからだそうです。

 

北陸3県で112店舗展開し、タイではなんと北陸地方を上回る128店舗を展開しています。

 

この8番ラーメンをめぐって、以下の事件が発生しました。

 

8番ラーメン事件 (昭和47(ワ)4    不正競争  民事訴訟 昭和48年10月30日  金沢地方裁判所)

「8番ラーメン」が北陸地方で44店舗展開して周知になっている状況で、被告は、富山市や高岡市(いずれも富山県)において「8番ラーメン」の商号を登記し、原告の富山市及び高岡市における商号登記手続を妨害するために、昭和45年2月4日に、内容証明郵便で、商号登記の優先権を主張しました。

 

そこで、原告である8番ラーメンの経営者は、不正競争防止法の誤認混同惹起違反(不正競争防止法第2条第1項第1号)に基づいて、8番ラーメンの商号を使用してはならない旨の訴訟を提訴しました。

 

不正競争防止法の誤認混同惹起違反(不正競争防止法第2条第1項第1号)とは、他人の商品等表示(商品・営業等)と混同させる行為を指します。

 

原告は、昭和42年から「8番ラーメン」の営業を開始し、その後チェーン展開をして、昭和46年には、福井、石川、富山の3県にわたって、44店舗まで拡大していました。

 

不正競争防止法の混同惹起行為と認められるためには、少なくとも一地方での周知性が要件となるのですが、原告は、「8番ラーメン」が複数の新聞やテレビでとりあげられたり、複数の新聞に広告をうっていたことを訴訟において証明して、周知性が認められました。

 

そして、被告が、内容証明郵便で商号登記の優先権を主張したことにより、被告の不正目的が認定され、不正競争防止法違反(誤認混同惹起違反(不正競争防止法第2条第1項第1号))と認定され、原告の8番ラーメンの商号を使用してはならない旨の主張が認められました。

 

本事案では、原告が「8番ラーメン」について商標権を取得していれば、被告は「8番ラーメン」の商号を取得していなかったかもしれませんし、商号登記の優先権を主張していなかったかもしれません。

 

原告は、この訴訟で懲りたのか、この訴訟の後の昭和58年に「8番ラーメン」の商標を出願して、昭和62年に登録されています(登録2008732)。

 

もし仮に、被告が「8番ラーメン」の商標を出願し、被告に「8番ラーメン」商標権を取得されていれば、最悪な事態になっていたでしょう。

 

この場合には、原告の「8番ラーメン」の使用は、原則商標権侵害となってしまいます。

 

原告の使用によって、「8番ラーメン」は北陸地方において周知になっていたので、商標の先使用権は認められるでしょうけれども、周知であることを立証しないといけません。

 

また、原告は、被告の商標権を取り消すために、不正使用取消審判や、未登録周知商標(商標法第4条第1項第10号)に基づく無効審判を請求しなければなりません。

 

 

2006年以前では、同一市町村において他人が登記した商号について、同種の営業(目的)について登記することが禁止されていました(類似商号規制)。

 

原告が、「8番ラーメン」の商号を富山市や高岡市で取得していなかったために、被告は「8番ラーメン」の商号を富山市や高岡市で取得することができたようです。

 

現在では、類似商号規制は廃止されましたので、同一市町村において他人が登記した商号について、同種の営業(目的)について登記することができるようになっています。

 

商標権の効力は日本全国に及びます。

 

自分の飲食店の店の名前を、他人が商号を登記することができたとしても、商標権を有していれば、その他人は同じ飲食店の名前を使用することはできません。

 

商標権を有していれば、他人の使用を差し止めるのに、周知性の立証は不要です。

 

本事案では、原告の「8番ラーメン」は、北陸地方において周知であったために、他人に商標権を取られてしまったとしても、先使用による商標を使用する権利が認められ、不正使用取消審判未登録周知商標に基づく無効審判により他人に取られてしまった商標権を取り消すことができました。

 

一方で、本事案の原告ほど使用している屋号が周知で無い場合には、先使用による商標を使用する権利も認められず、商標権を取り消すことができず、商標権者にライセンス料を支払ってライセンスしてもらうか、屋号を変えることになってしまいます。

 

長年使用していた屋号を変えるのって、損害が大き過ぎです。

 

商標権の取得は、それほど費用はかかりません。

 

飲食店を経営している方は、自分の屋号を保護するために、商標出願をすることをおすすめします。

 

8番ラーメン事件の判決文の全文はここをクリック(PDFが開きます)

 

 

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